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今日(京)のおばんざい、なぁに。

へんこ山田のスタッフ【ごまりこ】が綴るブログ。
京都に生まれ育って○十年。 (京都弁と大阪弁のバイリンガル?)
小さい頃から、当たり前のように身近にあった 食卓のおばんざい(日常のおかず)や食習慣、 そして風習…そんな京都(ならでは)のひとこまを 大切に残していきたいなぁ~と思う今日この頃です。
日々の暮らしの中、京都のいろいろ、旬、風物、行事、等など、 「食」をからめて、つづっていきたいです。

2012年07月

きゅうりの話

全国各地で連日の真夏日、
京都でも、最高気温が体温よりも高い日がつづいています。

猛暑で、力が出ない、疲れる、食欲が落ちる…となりがちですが、
こんな時は夏野菜をしっかり食べることで、元気を回復できます。
今回は、夏野菜の中で、きゅうりに注目してみました。

聞くところによると、きゅうりは、ギネスブックに世界一栄養のない野菜
として登録されているらしいのです。
確かに、水分が多くてカロリーは低く、とくに栄養素が多く含まれている
わけではありません。が、
きゅうりになり変わって(??)弁明しますと…

きゅうりは、カリウムなどミネラルを含有し、利尿作用にすぐれ、
身体の熱を外に出したり、体のむくみを取り除いたりしてくれます。
体の働きを整える酵素もふくまれているよう。

暑い夏には積極的に摂りたい野菜なのです!

ところで、
きゅうり封じ、という行事をご存じでしょうか。

きゅうり封じとは、弘法大師空海が伝えたと言われている密教の秘法で、
病気をきゅうりに封じ込めて、治癒を祈願したことに由来しています。

きゅうりに、名前、年齢、病名などを記した紙を巻き、
お供えして、ご祈祷してもらった後、持ち帰って、
三日間、具合のわるいところをきゅうりでさすって、
四日目の朝にそのきゅうりを土中に埋めると病気が治る、
というものです。

この行事、京都では神光院(北区)、蓮華寺(右京区)などに伝わっており、
毎年七月下旬に行われて、たくさんの参拝者で賑わいます。

猛暑真っ只中の時季、涼しいお堂の中、読経と説教を聞くことで
暑さをしのげる、という古人の知恵から生まれた伝統でしょうか。


…そんなきゅうりを使って、ご飯もビールも進む一品です。

◆ きゅうりの炒め漬け
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【材料】
    きゅうり 3本、 にんじん 4cm位、 白ねぎ 4cm位
    生姜 1かけ、 鷹の爪 1/2本、 塩 少々、 ごま油 大さじ2、
    A【うす口醤油 大さじ2、砂糖・みりん 各大さじ1/2、米酢 大さじ1】
    白すりごま 適宜、 ごまらあ油(お好みで)
【作り方】
     ① きゅうりは、板ずりにして、斜めに切れ目をいれて
       すりこぎ(またな瓶などで)でかるくたたいてから
       2~3cm幅に切る。
     ② にんじんと白ねぎ、生姜は、千切りにしておく。
     ③ フライパンにごま油と鷹の爪、生姜を入れて熱し、
       きゅうり、にんじんを入れて炒める。
      ④ 油がまわると、Aの調味料を入れて一炒めする。
     ⑤ 白ねぎをくわえ、 冷めてから、冷蔵庫で冷やす。
       いただくときに、白すりごまをたっぷりかける。
      (好みでごまらあ油も)

※ きゅうりに切れ目を入れたり、たたいたりすることで、
  味のなじみがよくなります。

鹿ケ谷かぼちゃ

京の伝統野菜。

いつの頃からか、ちょっとした京野菜ブームになり、
京野菜を食べることができるお店、
京野菜検定、
京野菜マイスター、
なるものも、よく目に(耳に)します。

さて、京野菜、というと、何が浮かぶでしょうか。

賀茂なす、聖護院かぶ、壬生菜、九条ねぎ…

色色ありますが、他にないユニークな形のもの
といえば、こちら…
鹿ケ谷かぼちゃではないでしょうか。
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ひょうたん形が面白いこのかぼちゃ。
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かつて、おかぼ と呼ばれて、明治の中頃は、
京都で食べられるかぼちゃのほとんどが
この鹿ケ谷かぼちゃだったそうです。

そんなにポピュラーだったのに、今は、収穫量も少なくなり、
元々作られていた鹿ケ谷ではほとんど栽培されていないとか…

さて、
鹿ケ谷にある安楽寺では、7月25日に
かぼちゃ供養が行われています。

なんでも、江戸末期に、安楽寺の住職が、ご本尊阿弥陀如来から
「夏の土用に鹿ケ谷かぼちゃをいただくと中風にならない」
とのお告げを受けたのが始まりとされています。

以来、
200年以上つづいている「かぼちゃ供養」、
参拝すると、かぼちゃの煮物が振るまわれるのです。

鹿ヶ谷かぼちゃは、他の日本かぼちゃに比べ
栄養価がグンと高く、
とりわけ、成人病予防や美容に効果のある
リノレン酸が豊富です。

西洋かぼちゃのような、甘みとほくほく感には欠けますが、
煮崩れにくく、薄味に煮つけると、かぼちゃそのものの味が
楽しめます。

鹿ケ谷かぼちゃで二品のおばんざいを作ってみました。
どちらも濃いだしをとって、
よーく味を含ませて、召し上がってください。


◆ 鹿ケ谷かぼちゃの海老そぼろあんかけ
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※ 海老のそぼろあんをかけて、あっさりした中に
  こくのある煮物。かぼちゃと海老がよく合います。

【材料】(約4人分)
    鹿ケ谷かぼちゃ 1/2個、 ごま油 大さじ1、 えび 10尾くらい
    だし(濃い目のもの)約300cc、 酒50cc
    調味料【みりん・砂糖・うす口醤油 各大さじ1.5、塩 少々】
    生姜 大1かけ分、 水どき片栗粉 大さじ2
 
【作り方】
    ① えびは、殻をむいて酒をふり、包丁でたたき、
      ごま油でぱらっとするまで炒めておく。
    ② かぼちゃは、一口大に切り、皮目に切り込みを入れ、
      さっと下ゆでする。
    ③ 酒を煮立てて、だし、調味料を加えた中に、②の
      かぼちゃを入れて、落し蓋をして15~20分煮る。
    ④ ①のえび、おろし生姜を入れて一煮して、かぼちゃを
      器に盛る。
    ⑤ 残った煮汁に水溶き片栗を入れ、とろみがついた   
      海老そぼろあんを、かぼちゃの上にかける。
      針生姜をちらす。


◆鹿ケ谷かぼちゃと万願寺とうがらしの煮物
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※ 京野菜の万願寺とうがらしと一緒に煮つけた
  おばんざい。たっぷりのごま油で炒めるので、こくのある
  栄養価の高い煮物です。
  万願寺とうがらしは、ダイナミックに丸のまま、煮付けました。
  軸も中の種もやわらかく食べられますが、お好みで半切りにして、
  種と軸の部分をとってください。

【材料】(約4人分)
    鹿ケ谷かぼちゃ 1/2個、 万願寺とうがらし 8本、 生姜 1かけ
    ごま油 大さじ2~3、 だし(濃い目のもの) 300cc、酒大さじ3
    調味料【みりん・砂糖・うす口醤油・濃口醤油 各大さじ1.5、
         塩 少々】
    
【作り方】
     ① かぼちゃは、一口大に切って、皮目に切り込みを入れる。
     ② 鍋にごま油を入れ軽く熱し、生姜のせん切りを炒める。
     ③ かぼちゃととうがらしを入れて、炒める。軽く塩をふりかける。
     ④ 全体に油が回ると、酒を入れ、煮立つと、だし、調味料を
       を入れて、落し蓋をして20分ほど煮る。

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祇園祭とはも

今日から三連休。
今宵から三日間、祇園祭は宵山です。

(もともと宵山は、山鉾巡行の前夜、7月16日のことで、
15日を宵々山、14日を宵々々山、とも呼びますが、
三日を総称して、宵山と呼ぶことも多いです)

宵山では、鉾町あちこちに、深夜まで出店、夜店が並び、
浴衣姿も目立つ ものすごい人出で大賑わいです。

この前のブログで、10日から鉾建てが始まったこと、
書いておりましたが、13日にはこのとおり。
kanko1
(前のブログの写真と同じ、函谷鉾です)kanko2
懸装も施され、提灯も下がって、祇園祭気分が一気に高まります。

こちらは船鉾。
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船のような形をしています。

ちょうど、船鉾に車輪を付けようとされていたところでした。hunahokoni
てこの原理を応用して、車体(鉾体?)を持ち上げて
車輪をはめる。

たくさんの人が力を合わせて車輪を付けられている姿に、
祇園祭の歴史を守る鉾町の人々の心意気、感じ入りました。


さて、
祇園祭は別名「はも祭」とも呼ばれています。
梅雨の水を飲んで味がよくなる、と言われているはも(鱧)。

昔は、海から離れた京都に、この時季、生きたまま入荷できる海の魚、
といえば、鱧くらいだったそうで、
夏祭りには欠かすことのできない、生命力のつよい夏魚です。

うなぎ を大きくしたような細長い姿の鱧ですが、
硬い小骨が多くて、そのままでは食べることができません。
味はいいけれど、扱いにくいからと、もともとはかまぼこの原料
などに使われていたそうです。

が、京都で、骨切りという、皮を残して細かく骨を切り込む技法が工夫され、
いろいろなハモ料理が生み出されました。
鱧の落とし(湯引き)、お吸い物、照り焼き、
柳川風、鱧ずし、揚げ物…等など。

白身の淡泊な味わいの中に、旬の脂が乗った美味しい鱧、
天ぷらにしてみました。

ごま油で揚げると、鱧本来の持ち味が生かされ、格別の味。
鱧のふっくらした食感、衣のサクッとした歯ごたえが
たまりません。

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◆ 鱧(はも)の天ぷら
【材料】
    はも(骨切りしたもの)小1尾分、  ごま油 適宜
    天ぷら衣【 卵 小1/2個 と冷水 合せて1/2カップ、酢 小さじ1/2
           薄力粉 1/2カップ(上新粉があれば、大さじ1/2加える)】
    (岩)塩・天つゆ 各適宜
【作り方】
     ① はもは3~4cmに切り、水分を拭き取っておく。
     ② ボールに卵をほぐし、冷水、酢を加え、そこに粉を入れて、
      ざっくりと手早く、粉が残る程度に、切るように混ぜる。
     ③ 180℃くらいにごま油を熱し、ハモに軽く薄力粉をまぶし、
      ②の天ぷら衣をつけて揚げる。

※ 天ぷら衣に、酢と上新粉を少し加えると、サクッと仕上がります。
※ 揚げたてに、塩、抹茶塩、天つゆなど、お好みのものをかけて
  どうぞ。
  シンプルに塩だけでいただくと、鱧の美味しさが一層引き立つ
  ように思います。

  

七月 京都 …

七月 京都 八坂神社 動く美術館 山 鉾 コンチキチン …

連想するものは、言うまでもなく、
祇園祭です。

その起源を遡ると、平安時代。
流行していた疫病を鎮めるために始まったという
歴史ある祭事です。

7月1日、吉符入(きっぷいり)の行事から始まり、
2日のくじ取り式では、山鉾巡行の順番を決めます。
10日からは、山建て鉾建て。
分解収納されていた山・鉾が組み上げられます。

それから、
14~16日は宵山。
暗くなると、山鉾の提灯に火が入り、祇園囃子が奏でられ…♪
例年たくさんの人々で賑わい、祭りの雰囲気は最高潮に~。

そしていよいよ
17日、山鉾巡行。
朝からお昼過ぎまで、くじ改めや、辻回し(交差点での方向転換)
をしつつ、山鉾が巡行していく様は壮観です。

24日は、還幸祭。花傘巡行。
最後の31日は、疫神社夏越祭。

まだまだいろいろの 祭事や神事があり、
七月いっぱい、京の街中は祇園祭一色です。


祇園祭のシンボルといえば、山鉾。
山鉾は、10日から組み立てられています。

くぎを使わず、荒縄をきつく締めて
組み立てられていく様子、思わず見入ってしまいます。

画像 295
(7月10日朝。凾谷鉾)画像 297


さて、祇園祭の時季、というと
とにかく京都は蒸し暑いのです。
急な蒸し暑さに食欲が落ちることも…。

そんな時でも、ひんやりつるっとした素麺ならいただけます。
我が家では、めんつゆに練りごまを加えた「ごまだれ」。
練りごまを加えると、風味がよくなるだけでなく、
ばてそうな体にスタミナをつけてくれます。
あと、具がいろいろあれば、さらに嬉しいですね。

だしをきかせたそうめんつゆに練りごまを加えたら
香りと風味のよさで、どんどんお箸がすすみます♪

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◆ごまだれそうめんつゆ
【材料】 濃いだし(かつおと昆布と干しいたけ)2カップ、みりん 約1/2カップ  
      濃口醤油 約1/2カップ、 かつお節10g、
(白)練りごま、(白)すりごま 各適宜      
【作り方】
     ① 鍋にみりんを入れ、火にかけアルコール分をとばす。
 ② だしと醤油を加えて、中火にかけ、煮立つとかつお節を加え、
       火を止めて5分ほどおき、こして冷まし、冷蔵保存する。
     ③ ②を器に入れ、練りごまを好みで加え(スプーン1杯くらい)
       すりごまと薬味を入れて、素麺と具をいただく。

※ だしをとったしいたけは、細切りにして、ひたひたの水を加え
 みりん、砂糖、醤油、酒をほぼ同量入れ煮て、しいたけ甘煮にして
 素麺に添えていただく。

※ 白練りごまでも、黒練りごまでも、お好みで。

※ 写真の具は、しいたけ甘煮、カニかま、豆腐、きゅうり、なす煮、
  錦糸卵。 薬味は生姜とみょうがです。

cho
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