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今日(京)のおばんざい、なぁに。

へんこ山田のスタッフ【ごまりこ】が綴るブログ。
京都に生まれ育って○十年。 (京都弁と大阪弁のバイリンガル?)
小さい頃から、当たり前のように身近にあった 食卓のおばんざい(日常のおかず)や食習慣、 そして風習…そんな京都(ならでは)のひとこまを 大切に残していきたいなぁ~と思う今日この頃です。
日々の暮らしの中、京都のいろいろ、旬、風物、行事、等など、 「食」をからめて、つづっていきたいです。

2015年02月

精進料理~黒ごま坦々麺

最近、ちょっと精進料理に凝っています。

一般的に、精進料理といえば、魚や肉を食べない、
野菜と米と豆製品中心の、あっさりした単調な献立。
ともすると、
地味、食べごたえがない、あるいは難しい…
…というようなイメージがあります。

が、実際いろいろな精進料理を作ったり、食べたりするうち、
そのイメージは一新されます。

魚と肉は使いませんが、身近な材料を一工夫することで、
そしてなにより、旬の素材の持ち味を生かすことで、
バラエティに富んだ美味しい献立が多いのです。

見た目も味も 季節感が感じられるような、そして
地味ではなく、滋味、しみじみとした味わいがある 精進料理。

そもそも、精進料理というのは、
禅僧が修行で食べる、簡単な一汁一菜の食事でした。
仏教の教えで、殺生を戒め、獣肉魚介類を使わず、
穀類、豆類、野菜、海藻などの食材だけで料理されていました。

それが次第に 仏教の各宗派独自の精進料理が発展して、
歳月とともに、日本の風土と食材をいかして工夫され、
現在の、多様で美味しい精進料理を味わうことができるようになりました。

単に、肉や魚を食べないだけでなく、
大切なのは、食材を余すことなく使いきり、無駄を出さずに生かし、
そして、作物の実りを育んでくれた自然に感謝することです。

材料が限られているので工夫するのも大切のことです。
精進料理には、もどき料理といって、
肉や魚の料理に似せたものがあります。

有名なところで、がんもどき。
関西では、ひろす(飛龍頭)と呼ぶことが多いですが、
がんもどき=雁もどき≒雁の肉に似せたもの

お豆腐と山芋を主原料に作ります。
だいたい、雁の肉がどんなものか知らないので
似てるのかどうか、わかりませんが、比較なしで、
雁もどき(ひろす)は、それ自体美味しいものです。
(以前に作り方を紹介しております→ 手作り飛龍頭

ほかに、うなぎの蒲焼もどきもあります。
(→ 蒲焼き丼
これは、海苔とじゃが芋で作っています。
味が うなぎの蒲焼に似てるとは言い難いのですが、
また違う美味しさがあります。

こんなふうに、精進料理を美味しくしている素材の一番は、
「ごま製品」だと私は思うのです。

上の二品は、どちらもごま油の力で、風味とコクと
ボリューム感が出ています。

他にも、練りごま、炒りごま、すりごま、
いずれも、精進料理には欠かせないもの。
素材の持ち味をいかす 精進の薄めの味付けに、
香り・風味・コクを加えてくれます。

栄養面でも、精進では不足しがちなタン白質や脂質を
補ってくれるのです。

さて、きょうは、ごまと厚揚げと生しいたけを使って、
精進の坦々麺をつくってみました。
豚肉なしでも、ごま油と練りごま、すりごま、ごまらあ油で
美味しく出来ますので、是非お試し下さい。

033

◆ 精進 黒ごま坦々麺  
【材料】(約4人分)
  中華麺 約4玉、 生姜 1かけ、 長ねぎ1本
  厚揚げ 1個(約100g)、 生しいたけ 4個、
  ごま油 大さじ1~2、 豆板醤 小さじ1/2~1、
  黒練りごま 大さじ5、 ガラスープ 4カップ
  うす口醤油・濃口醤油・みりん 各大さじ1、
  塩 少々、 黒すりごま 大さじ4
  青ねぎ(または青梗菜など青み) 少々
  ごまらぁ油 少々  
  
【作り方】
   1.生姜はみじん切りにする。
     長ねぎは5cm分を飾り用の白髪ねぎにし、あとはみじん切りに。
   2.鍋に、生姜と、長ねぎのみじん切りの半量を入れ、
      ごま油で炒め、香りが立つと、豆板醤、粗く切った厚揚げと、
あらみじんのしいたけを加えて炒める。
     厚揚げはつぶすように炒めて、水分をしっかりとばす。
   3.2に黒練りごまを加えて全体にからめ、ガラスープを入れて
     ときのばす。煮立つと、醤油とみりんを加えて塩で味をととのえ、
     長ねぎのみじん切りの残り半分と黒すりごまを入れて一煮し、
     青み野菜を入れて火を止める。
   4.中華麺をゆでて、器に入れ、上から3をかける。
     上に白髪ねぎ(赤ピーマンの薄切り)をトッピングして、
     黒すりごまをちらして、ごまらぁ油を加える。


【今回使用したのはコチラ】

白ごま油275
(白)ごま油




ねり黒150練りごま(黒)







        

すり黒
すりごま(黒)




ごまらあ油60 
ごまらあ油









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ホット・セサミ・チョコレート

二月も半ばを過ぎました。
きょうは、二十四節気の「雨水(うすい)」です。

空から降るものが雪から雨に変わり、
雪解けが始まり、草木が芽生える頃、と言われ、
昔から、農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。

実際は、春の訪れはまだ遠く、
寒さは厳しく、積雪が深いところもあります。
これから、三寒四温を繰り返しながら、だんだんと
春に向かっていくのですね。

さて、雨水といえば、その4、5日前はバレンタインデー。
雨水とは比較にならないほど有名な日です。

一月の終わり頃から、デパート等では特設会場ができて
驚く程、豊富な種類のチョコレートが並んでいました。

私自身、チョコレートが大好きなのですが、
子供の頃、鼻血が出やすい体質だったため、
いつも、ほんのちょっぴりしか食べていませんでした。

今では、チョコレートと鼻血の因果関係はほとんどない
と言われていますし、むしろ、チョコレートの健康効果が
ちょっと注目されています。

チョコレートの歴史をひもとくと…
かつて―紀元前2000年頃、チョコレートの原料カカオは、
「神々の食べ物」と呼ばれて薬として珍重されており、
高価な為、王様や貴族など限られた人しか口にできなかったとか。

チョコレートに含まれるポリフェノールには、
ガンや動脈硬化などの原因を引き起こす活性酸素の働きを抑え、
血中の悪玉コレステロールや酸化を防ぐ抗酸化作用があるそうです。

えも言われぬあの甘い香りには、集中力・記憶力を高める効果があり、
また、食物繊維やミネラルなどが含まれている、というのも嬉しいです。

ただ、美味しくいただけるように、糖分やミルクがたっぷり入っている
ものも多いので、健康効果を期待するのなら、
食べ方(食べ過ぎ)に気をつけ、カカオ分の高いものを選ぶといいでしょう。
いわゆるミルクチョコと、ビターチョコでは、
カカオ分は2倍以上違います。

最近では、カカオの産地にこだわったり、糖分を極力減らして、
カカオそのものの味を楽しむようなチョコレートも増えています。
カカオ分70%というようなチョコも入手しやすくなりました。

雨水とはいえ、まだまだ寒いこの季節、
ビターチョコでホットチョコレートを作って温まるのはいかがでしょう。
ミルク(または豆乳)にチョコレートを溶かすだけなので
ココアよりも作りやすいです。

そして、ここに、練りごまをちょっと加えると、
コクと風味がでて、一味ちがうホットチョコレートになります。

バレンタインの名残りのチョコがあっても、なくても
一度作ってみてください。


030_


◆ ホット・セサミ・チョコレート
【材料】(2人分)
    ビターチョコレート 40g、 練りごま(白) 小さじ2
    牛乳 300cc
【作り方】
    1.小さい鍋に、チョコレートを砕いて入れ、練りごま、
      牛乳の半量も加えて、混ぜながら中弱火で煮溶かします。
    2.残りの牛乳も加えて混ぜ、沸騰直前に火を止めて、器に注ぐ。
     
    ※ 練りごま、今回は、白を使いましたが、
      黒でも白でもお好みでどうぞ。
    ※ カップに入れて、電子レンジでも作れます。
      その場合は、ふきこぼれないよう様子を見ながら作ってください。
    ※ 牛乳のほか、豆乳、アーモンドミルクでも…。

【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
練りごま(白)








ねり黒150練りごま(黒)










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初午~蕎麦いなり

今年の初午(はつうま)は、2月11日、
建国記念の祝日と重なります。

初午は、2月に入って最初の午(うま)の日。
稲荷社のお祭りですが、もともとは稲作の開始に先立って
その年の豊作祈願をするお祭りだったようです。
全国各地の稲荷社の初午祭には、
五穀豊穣のほか、商売繁盛、開運、長寿息災、子孫繁栄等々
を願って、初午詣でする参詣者が数多く訪れます。

初午には、赤や五色の幟(のぼり)を掲げて、
赤飯や油揚げをお供えする町内もあれば、また、
子供たちが太鼓を叩き、稲荷をお祀りしている家を回って
お菓子などをもらい歩く所もあるとか…。
(ハロウィンみたいですね)

北関東―栃木、群馬、茨城の方では、「しもつかれ」と呼ばれる
郷土料理が初午の日に作られます。
炒った大豆に、塩鮭の頭、大根、酒粕、を似て、醤油で味をつけたもの。

「しもつかれを七軒食べ歩くと病気にならない」とか
「なるべく多くの家のしもつかれを食べると無病息災」
などと言われているそう。
一度食べてみたいですね。

京都では、初午の行事食として、いなり寿司を
いただくことが多いようです。

稲荷の神様のお使いである狐の好物が 油揚であることから
初午の日には、油揚げにすし飯を詰めたものが奉納され、
それがいなり寿司の始まり、とも聞きます。

近年、「初午にはいなり寿司」!という販促のキャッチフレーズを
見聞きすることもあるのですが、
節分の恵方巻きのようなメジャー感はまだありません。

初午は、日が決まらず毎年変わるので、
なかなか定着しにくいのでしょうか。

さて、いなり寿司の甘辛いお揚げさんを使って
蕎麦いなりを作ってみました。

012 - コピー

お蕎麦とお揚げさんの相性がよく、
軽食にちょっとうれしいひと皿です。
蕎麦にちょっとからめたごま油で、
風味と口当たりがよくなります。

手軽にできるので、是非お試しください。


◆ 蕎麦いなり
【材料】
  いなり寿司用のお揚げ 8個分  
  蕎麦(乾)約100g、 ごま油 小さじ1
  めんつゆ 大さじ1~2 
  黒炒りごま・白炒りごま 各 大さじ1 
  青ねぎ 1本、 わさび・七味などお好みで
 
【作り方】
   1.蕎麦は、半分に折り、表示より1分ほど少なめ(やや固め)
     にゆでる。
   2.ゆで上がった蕎麦は、水洗いしてザルに上げて
     水気をよく切っておく。
   3.2の蕎麦にごま油を混ぜ、めんつゆ、炒りごまを混ぜる。
     (ここでは、やや薄味に)
   4.いなり寿司用のお揚げに、3の蕎麦を軽く詰めて、
     上に、青ねぎの小口切りをのせる。
   5.お好みで、わさび、七味を添えてどうぞ。

※ いなり寿司用のお揚げ(8個分)の作り方
     寿司揚げ(小さめの油揚げ)4枚
     A 【だし150cc、 酒・みりん・濃口醤油・うす口醤油 各大さじ1、
      砂糖20g 】 
     ※寿司揚げは二つに切り(横か斜めに)、熱湯で2~3分
      油ぬきして、軽くしぼる。Aを煮たてたところに、寿司揚げ
      を入れて落し蓋をして汁気がなくなるまで煮て、冷ます。

※ めんつゆの材料と作り方 (つけつゆ)
       だし(かつお・昆布・干しいたけ)1カップ強、みりん 大さじ3 
       濃口醤油 大さじ3、 かつお節5g
       ※ みりんを煮立てたところに、醤油、だしも加えて、
        弱火で煮てフツフツすると、かつお節を入れて、
        軽く煮てから、こして冷ます。
  
【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油



いり黒
炒りごま(白)



いり黒
炒りごま(黒)



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立春~菜の花のかすみ和え

きょうは立春、暦の上では春です。
が、実際には、まだまだ寒く、一年で一番寒い時季。

そもそも「立春」は、冬と春の分かれる節目の日「節分」の翌日、
いわば春の初日です。

旧暦では、立春が一年の始まりとされ、
立春を起点に様々な決まり事や季節の節目の日があるのです。

「八十八夜」は、立春から数えて88日目。
この日に摘んだ茶は高級とされたり、この日にお茶を飲むと長生きする
等と言われています。

「二百十日」は、立春から数えて210日目。
台風が襲来する可能性が高い日、と言われ、
稲の開花期にあたるため、農家の厄日とされています。

ほかに「春一番」は、立春以降に初めて吹く
南寄りの強い風のこと。
…等など。

節分は、豆まき、恵方巻き、イワシ等など、
行事や食習慣と結びついて、クローズアップされることが多いのですが、
「きょうは立春!」的なものは、特にないようです。

ちなみに、中国では、立春の日に、春餅(クレープのようなもの)や
大根を食べる習慣があるそうです。

日本でも、そのうち、バレンタインのチョコや、節分の海苔巻に匹敵するような
立春の〇〇〇?!ができるかもしれませんね?!

さて、
きょうは、大根おろしを使った
春を感じさせる一品を作ってみました。

その色やつぼみの形が 春を感じさせる菜の花の和え物です。
大根おろしを使った和えもの「おろし和え」のことを、
よく「みぞれ和え」と言います。

おろしを、冬のみぞれ(霙)に見立てたもの。
そして、春は おろし和えを「かすみ和え」と言うようです。

春の空にたなびくかすみ(霞)に見立てた呼び名。
季節に合わせた料理名、いいですね。
四季のある日本の趣ある一皿です。

立春も過ぎたことなので、「かすみ和え」
ちょっとほろ苦い菜の花が、ごま油をまとって、
まろやかな美味しさになります。

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◆菜の花のかすみ和え
【材料】(約4人分)
   菜の花 1束(約100g)、 大根おろし 1カップ弱
   油揚げ 1/2枚、   削りかつお節 1パック(3g)
   調味料A【酢・みりん・うす口醤油 各大さじ2】 
   ごま油 大さじ1/2、 白すりごま 少々

【作り方】
1.大根おろしは、水気を軽くきっておく。
2.油揚げは、炙って短冊切りにしておく。
3.調味料Aを混ぜて電子レンジ加熱で煮立て、冷まして大根おろしとさっと混ぜておく。
4.菜の花は、ゆでて水気をしぼり、削りかつおとごま油をまぶしておく。
5.4の菜の花と油揚げを、3で和えて、白すりごまを加え混ぜて、器に盛る。


【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油                                                                    
        

すり白
すりごま(白)






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