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今日(京)のおばんざい、なぁに。

へんこ山田のスタッフ【ごまりこ】が綴るブログ。
京都に生まれ育って○十年。 (京都弁と大阪弁のバイリンガル?)
小さい頃から、当たり前のように身近にあった 食卓のおばんざい(日常のおかず)や食習慣、 そして風習…そんな京都(ならでは)のひとこまを 大切に残していきたいなぁ~と思う今日この頃です。
日々の暮らしの中、京都のいろいろ、旬、風物、行事、等など、 「食」をからめて、つづっていきたいです。

2021年09月

ずいきと油揚げのごま煮

「ずいき」
ご存じでしょうか。

里芋の茎部分(葉柄)で、野菜として食べられます。
「赤ずいき」「白ずいき」「青ずいき」など種類があり、
色が違いますが、味や食感は、ほとんど同じ。

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長いので切って売られていることが多い。

長くまっすぐでスポンジ状のような繊維質の茎は、
しゃきしゃき…というのか、しゃくしゃくっ…というのか
独特の食感で、味がしみこみやすいです。

旬は夏。
今は、夏野菜のなすやきゅうりなど年中出回っていますが、
ずいきは、夏だけ、旬を味わう野菜です。
ただ、「いもがら」と呼ばれる乾燥させたずいきがあるので、
水で戻して使うと、いつでも食べられます。
(生のずいきとは、少~し違った歯ごたえですが…)

ちなみに、
京都には、ずいき祭、というお祭りがあります。
学問の神様として信仰される菅原道真公をお祀りする
北野天満宮のお祭りで、五穀豊穣に感謝するもの。

屋根が「ずいき」で作られ、野菜を飾ったお神輿が見られます。
コロナ禍なので、規模が縮小されますが、
毎年10月1日~5日、行われています。

ずいき祭は、漢字では「瑞饉祭」
「瑞饉」は「喜びを知らせる」といった意味だそう。
同じ音の「ずいき」、縁起のいい野菜のように思えて、
食べたくなります。

栄養面でも、身体に嬉しい効能いろいろ。
独特の食感は、豊富に含まれる食物繊維によるもの、
とりわけ不溶性食物繊維が多いので、便秘解消や整腸効果があり、
体内の有害物質を吸着して排出してくれる働きがあるそう。
あと、ミネラル分が多く、赤ずいきにはポリフェノールが含まれて
いるので、さまざまな健康効果が期待できます。
糖質が少なく、カロリーが低いのも嬉しいです。

アクがつよいので、アク抜き、下茹でが要りますが、
冷蔵庫で3日ほど保存できて、(冷凍も可)
煮物、酢の物、炒め物、和え物などいろいろ使えます。

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きょうは、ごまねりねり(練りごま)を加えた煮物にしました。
京都でいう「ずいきのたいたん(たいたもの)」です。
だしの味とごまの風味があいまって、しみじみ美味しい、
ほっとする味。ご飯が進む一品です。

ずいきだけでは色目が地味なので、にんじんを一緒に煮たました。
彩りよく、お弁当にもぴったり。
是非作ってみて下さい。

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◆ ずいきと油揚げのごま煮
【材料】(3~4人分)
ずいき 2本(正味 250gほど)
油揚げ 中1枚
にんじん  1/2本
昆布(だしをとったもの)5㎝角くらい(なくてもOK)
エキストラバージンごま油 大さじ1/2
塩 少々
だし 100cc
A【酒 大さじ3、みりん 大さじ2、砂糖 大さじ1
  うす口醤油 大さじ2、濃口醤油 少々】
ごまねりねり白(白練りごま)大さじ1強(約20g)

【下準備】(ずいきの下ゆで)
1.ずいきは洗って、鍋に入る大きさに切り、酢水に浸ける。
 (水1ℓに酢大さじ1くらい)皮をむき30~60分ほど浸けておく。
2.熱湯に塩と酢を少々入れて、1を入れてゆでる。(太いものから入   
 れ、2分ほど)冷水にとって、冷ます。
(そのまま保存容器に入れ、冷蔵保存できる)
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【作り方】
1,ゆでたずいきは、4~5㎝長さに切る。油揚げもにんじんも、
  同じくらいの大きさの短冊切りにする。昆布はせん切りにする。
2.鍋にエキストラバージンごま油を熱し、にんじんを炒める。全体に 
 油がまわると、1のずいき、油揚げ、昆布も加えて、塩をふりかけて
 一炒めする。
3.だしとAを加えて、煮汁がほとんどなくなるまで煮る。
 仕上げに、鍋を斜めにして、残った煮汁にごまねりねりを加え混ぜ、
 全体に混ぜ、味をなじませる。

※ 乾燥したもの(いもがら)を使う場合は、下準備で、表示の通りに
 水で戻してしぼったら、あとは同様に作る。

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【今回使用したのはコチラ】
エキストラバージンごま油



ねり白150
ごまねりねり・白(練りごま<白>)









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ひと口ごまおはぎ

秋のお彼岸となりました。
今年は、秋分の日(秋彼岸の中日)が9月23日。
9月20日が彼岸の入り、そして
26日が彼岸の明けです。

七日間のお彼岸の期間、お墓参りに行ったり、お仏壇にお供えをしたり、
亡くなった方を偲び、ご先祖さまに感謝の気持ちを捧げる…
日本ならではの伝統文化として、受け継がれてきた習慣です。

大切な仏教行事でありながら、日本以外の仏教国では、
このような期間はないそうです。

古来、極楽浄土は真西の方角にあると思われていて、
太陽が真西に沈む、秋分・春分の日は、
彼岸(あの世)と此岸(この世)が最も近づく日、通じやすい日、
と捉えられたことに由来するよう。
太陽の動き、天文学と浄土信仰が結びついているのです。

秋は、お米の穫れる時季であることから、祖先に収穫を報告し、
感謝する、という意味合いもあるそうです。

さて、
コロナ禍で出かけにくい今、お墓参りに行けない、という方も
また、家にお仏壇がない、という方も少なくないと思います。

しきたりにとらわれず、「手を合わせる」スペースを作って、
感謝の気持ちを伝えてはいかがでしょうか。
お墓のある方向に、あるいは、彼岸があるとされる西向きに
手を合わせられるように、遺影を置いたり、
お供えをしたり…大切なのは気持ちです。

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お供えですが、一般的に、秋はおはぎです。
おはぎ(萩)とぼた(牡丹)餅、よく違いは何かと言われます。
春に咲く牡丹と、秋に咲く萩の花のように、大きさが違う、とか、
こしあんと粒あんの違い、とか
もち米とうるち米の違い、等など、諸説あるようです。
が、決まりはないので、自由に作りましょう。

今回ご紹介するおはぎは、もち米で一口大に作った
食べやすいもの。
もち米はつぶさず、そのまま丸めるので手軽です。

あんは、こしあんと白あんを使いましたが、
こしあんには黒のごまねりねり(黒練りごま)
白あんには白のごまねりねり(白練りごま)を
加え混ぜました。

クリーミーなごまねりねりは、あんとなじみがよく、
コクのある、風味のいいごまあんになります。

もう一種は、あん無しで、もち米のまわりに、
炒りごまとくるみをまぶした香ばしいもの。
甘いものが苦手な方にも召し上がっていただけます。
お彼岸のお供えに、ご家族でのお茶の時間に、
是非作ってみて下さい。

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ひと口ごまおはぎ
【材料】(約15個分…3種類各5コずつ)
もち米 約2/3合、 塩少々
A【こしあん 約60g、 ごまねりねり(黒) 大さじ1
  白炒りごま 少々】
B【白あん 約60g、 ごまねりねり (白)大さじ1
  黒すりごま ほんの少々】
C【炒りごま(黒・白)各大さじ1強、
  くるみ(炒ったもの)2~3コ】

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【作り方】
1.もち米は洗って、炊飯する。
 (ふつうのお米より、心もち水加減少な目、浸水時間長め)
2.塩少々をふりかけてピンポン玉より小さめに丸めて冷ます。
 (ラップを使うと衛生的です)
3.こしあんと黒のごまねりねり、白あんと白ごまねりねりと黒すりごま
 それぞれ混ぜる。ごまと粗く刻んだくるみも混ぜておく。
4.2の周りを、3でそれぞれ包みこむ。
  こしあん製には、上に白胡麻を散らす。
※ ごまあんはまるめてラップではさんで薄くのばしすと、
 もち米を包みやすいです。
※ もち米は、多めに炊いて、残りは普通に食べても…
(少量はうまく炊けないことがあるので)
※ ごまねりねりの分量は目安です。ごま好きの方はたっぷり、
 隠し味的に使いたい時は控えめに、お好みで混ぜてください。

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【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
ごまねりねり・白(練りごま・白)








ねり黒150ごまねりねり・黒(練りごま・黒)








すり黒
すりごま(黒)



 
いり白
炒りごま(白)







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月見ごま味噌汁

九月も半ば…空が高く感じられ、
夜になると虫の声がすずやかに聴こえてきます。
もうすぐ十五夜、中秋の名月です。

中秋の名月は、美しい月を眺めて、五穀豊穣を願い、
実りをもたらしてくれた天に感謝してお供えをする
習わしだったようです。
すすきを飾って、お団子をお供えする、という光景は
だんだん見られなくなってきているようですが…。

さて、
中秋の名月は、旧暦の八月十五日。
いまの暦では、9月の下旬になることが多いのですが、
早ければ9月7日、遅ければ10月8日になるそう。

2021年の中秋の名月は、9月21日です。
今年は、中秋の名月が満月ですが、
必ずしも満月ではなく、1日か2日ずれることもあります。

ちなみに、中秋の名月の日は、必ず仏滅になるようです。
意外な印象ですが、仏滅や大安や友引などの六曜は、
旧暦の月日と合致しているので、
中秋の名月=旧暦八月十五日=仏滅
になるようです。

さておき、
お月見の食卓、といえば何でしょう…
お供えはお団子が一般的ですが、
献立には決まりごとはありません。
お月見をイメージできるものがいいですね。

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卵黄を満月にみたて、目玉焼きや生卵を落とした献立は、
月見〇〇と呼ばれています。

きょうは、簡単手軽な「月見ごま味噌汁」をご紹介。
ごまねりねり(練りごま)を味噌に混ぜ入れたコクのある味噌汁に、
半熟の卵がとろけます。

お椀の上から生卵を落とすと、おつゆが冷めてしまうので、
白身は少し火を通しています。
さながら月の周りの雲のように見えます。
卵白は火を通した方が、栄養吸収の効率がいいそうです。

卵黄は、最後に上にのせましたが、
卵黄にも少し火が通っているのがお好きな場合は、
具だけ入れた上に卵黄をのせ、最後に熱い汁をそっと
上からかけてみてください。
お好みのやわらかさ加減に仕上げてください。

もちろん、お月見の日に限らず、
日常のお味噌汁にも!…ごまねりねりが入ると、いつもの味噌汁と
一味違い、シンプルな具でもコクがあってとても美味しいです。
是非作ってみて下さい。

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◆ 月見ごま味噌汁
【材料】(2人分)
だし 2カップ弱
味噌 約大さじ1
ごまねりねり・白(白練りごま)約大さじ1
具(豆腐、わかめ、油揚げなど適宜)
卵 2コ
薬味(青じそ、みょうが等)少々
白すりごま 適宜

【作り方】
1.鍋にだしとわかめを入れて煮立て、豆腐を崩し入れ、油揚げ(短冊切り)等
 具を入れる。
2.火を弱めて、味噌とごまねりねりと溶かす。
 卵を卵黄と卵白に分け、卵白を入れて一混ぜして火を止め、お椀に入れる。
3.上に卵黄をそっとのせ、青じそとみょうがの薄切りをのせ、白すりごまを散らす。

※ 具はお好みで。 
  薬味は、ほかに、刻みねぎ、おろし生姜など。
※  味噌は塩分によって加減してください。


【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
ごまねりねり・白(白練りごま)








すり白
すりごま(白)





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栗ときのこのおこわ

今年も、三分の二が過ぎて
九月となりました。

まだ日中は厳しい暑さですが、
朝夕はひんやりした空気が感じられる今日この頃です。

九月の和名は、長月。
「夜長月」を略したもの、と言われています。
だんだんと日が短くなり、夜が長くなってきて、
この月名が実感できますね。

ほかにも、九月の異名は、
彩月、稲熟月、寝覚月、詠月、玄月など色々あります。
季節のうつろいや自然から感じられる名前のよう。

菊月も、九月の異名の一つです。
そして
九月九日は「菊の節句」こと「重陽の節句」。
「重陽の節句」は、五節句の一つですが、
三月三日の「上巳(桃)の節句」、五月五日の「端午の節句」、
七月七日の「七夕の節句」ほど有名ではなく、
知らないうちに過ぎていた、ということも多いのではないでしょうか。

五節句の中のもう一つ、一月七日の「人日の節句」は、
七草粥をいただく日として近年だんだんと認知度が高まっていますが、
「重陽の節句」は、何の日なのか? 行事食はあるのか?
あまり知られていないようです。

かつて中国では、奇数は縁起の良い「陽」の数字とされ、
一番大きい奇数「9」が重なる9月9日は大変おめでたい日!
とされていました。
「重陽の節句」 に長寿と無病息災を願うという中国の習わしが
日本に伝わり、平安期頃から宮中では、菊酒を飲みかわし、
観菊の宴が催されていたようです。

農作物の収穫の時期なので、
庶民の間では「栗の節句」と呼ばれて、栗ご飯で
お祝いをされていた とも言われています。

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きょうは、初秋らしく 栗ときのこを使ったおこわを
紹介いたします。
お菓子のイメージが強い栗ですが、とても栄養豊富!
栗の実は、ナッツの一種なのですが、脂質が少なく、
たんぱく質やビタミン類、ミネラルや食物繊維が豊富、
滋養にとんだ食材です。

おこわにすると、もちもち食感のご飯に、ほくほくして
ほの甘い栗と、風味のいい旨みたっぷりのきのこがよく合い、
とまらない美味しさです。
エキストラバージンごま油を入れて炊くことで、
つややかでふっくらと炊き上がります。

本来のおこわは蒸して作りますが、
炊飯器で簡単手軽に作りました。
冷めても美味しいので、お弁当にもぴったり!
季節感ただよう一品、是非作ってみて下さい。

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◆栗ときのこのおこわ
【材料】(約4人分)
もち米 2合
栗水煮  8~10コ
干しいたけ 2~3枚
干しいたけの戻し汁 適宜
しめじ 1パック
舞茸 1パック
A【うす口醤油・酒・みりん 各大さじ1、塩 小さじ1/2強】
エキストラバージンごま油 大さじ1

【作り方】
1.もち米は、洗って、多めの水に1時間ほど浸けておく。
2.干しいたけは水につけて戻し、細切りにする。
  しめじと舞茸はほぐしておく。
3.1の水気を切って炊飯器に入れ、しいたけの戻し汁と
  Aを合わせて入れ、水を足して2合分の水加減にする。
  (2合の目盛りより、やや少なめ)
4.半切にした栗と2を米をのせて、エキストラバージンごま油
  を回しかけて、炊飯器で炊く。
5.お好みですだちを添えてどうぞ。

※ 栗は水煮を使いましたが、もちろん、生でもOK。
 甘露煮を使う場合は、甘露煮汁から出して、半分に切り
 水にしばらく浸けて、甘みを少し抜いてから使ってください。

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【今回使用したのはコチラ】

エキストラバージンごま油






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