京の伝統野菜。

いつの頃からか、ちょっとした京野菜ブームになり、
京野菜を食べることができるお店、
京野菜検定、
京野菜マイスター、
なるものも、よく目に(耳に)します。

さて、京野菜、というと、何が浮かぶでしょうか。

賀茂なす、聖護院かぶ、壬生菜、九条ねぎ…

色色ありますが、他にないユニークな形のもの
といえば、こちら…
鹿ケ谷かぼちゃではないでしょうか。
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ひょうたん形が面白いこのかぼちゃ。
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かつて、おかぼ と呼ばれて、明治の中頃は、
京都で食べられるかぼちゃのほとんどが
この鹿ケ谷かぼちゃだったそうです。

そんなにポピュラーだったのに、今は、収穫量も少なくなり、
元々作られていた鹿ケ谷ではほとんど栽培されていないとか…

さて、
鹿ケ谷にある安楽寺では、7月25日に
かぼちゃ供養が行われています。

なんでも、江戸末期に、安楽寺の住職が、ご本尊阿弥陀如来から
「夏の土用に鹿ケ谷かぼちゃをいただくと中風にならない」
とのお告げを受けたのが始まりとされています。

以来、
200年以上つづいている「かぼちゃ供養」、
参拝すると、かぼちゃの煮物が振るまわれるのです。

鹿ヶ谷かぼちゃは、他の日本かぼちゃに比べ
栄養価がグンと高く、
とりわけ、成人病予防や美容に効果のある
リノレン酸が豊富です。

西洋かぼちゃのような、甘みとほくほく感には欠けますが、
煮崩れにくく、薄味に煮つけると、かぼちゃそのものの味が
楽しめます。

鹿ケ谷かぼちゃで二品のおばんざいを作ってみました。
どちらも濃いだしをとって、
よーく味を含ませて、召し上がってください。


◆ 鹿ケ谷かぼちゃの海老そぼろあんかけ
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※ 海老のそぼろあんをかけて、あっさりした中に
  こくのある煮物。かぼちゃと海老がよく合います。

【材料】(約4人分)
    鹿ケ谷かぼちゃ 1/2個、 ごま油 大さじ1、 えび 10尾くらい
    だし(濃い目のもの)約300cc、 酒50cc
    調味料【みりん・砂糖・うす口醤油 各大さじ1.5、塩 少々】
    生姜 大1かけ分、 水どき片栗粉 大さじ2
 
【作り方】
    ① えびは、殻をむいて酒をふり、包丁でたたき、
      ごま油でぱらっとするまで炒めておく。
    ② かぼちゃは、一口大に切り、皮目に切り込みを入れ、
      さっと下ゆでする。
    ③ 酒を煮立てて、だし、調味料を加えた中に、②の
      かぼちゃを入れて、落し蓋をして15~20分煮る。
    ④ ①のえび、おろし生姜を入れて一煮して、かぼちゃを
      器に盛る。
    ⑤ 残った煮汁に水溶き片栗を入れ、とろみがついた   
      海老そぼろあんを、かぼちゃの上にかける。
      針生姜をちらす。


◆鹿ケ谷かぼちゃと万願寺とうがらしの煮物
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※ 京野菜の万願寺とうがらしと一緒に煮つけた
  おばんざい。たっぷりのごま油で炒めるので、こくのある
  栄養価の高い煮物です。
  万願寺とうがらしは、ダイナミックに丸のまま、煮付けました。
  軸も中の種もやわらかく食べられますが、お好みで半切りにして、
  種と軸の部分をとってください。

【材料】(約4人分)
    鹿ケ谷かぼちゃ 1/2個、 万願寺とうがらし 8本、 生姜 1かけ
    ごま油 大さじ2~3、 だし(濃い目のもの) 300cc、酒大さじ3
    調味料【みりん・砂糖・うす口醤油・濃口醤油 各大さじ1.5、
         塩 少々】
    
【作り方】
     ① かぼちゃは、一口大に切って、皮目に切り込みを入れる。
     ② 鍋にごま油を入れ軽く熱し、生姜のせん切りを炒める。
     ③ かぼちゃととうがらしを入れて、炒める。軽く塩をふりかける。
     ④ 全体に油が回ると、酒を入れ、煮立つと、だし、調味料を
       を入れて、落し蓋をして20分ほど煮る。

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